2012年6月26日9時半に、床屋matsudaの奥さんにお話を伺いました。
以下はその時のお話をまとめたものです。
・・・・接客後の遅い昼食を済ませた後に地震があり、念のため避難したらと息子さんに促され、犬を連れて避難道路に上りました。
寒かったので息子さんが一回上着を取りに戻り、息子さんと車を避難させようかと話しているうちに津波の第一波がきました。
最初は足首の高さだったのが、第二波では市営ビルの上の避難道路でもかなりの高さまでの海水で、海から押し寄せる様はまるで巨大な鯨が口を大きく開けたように思えたそうです。
ドーンと大きな音が響き、貨物船(アジアシンフォニー4724t)が陸地側につっこんできたのが見えました。
店に目をやると、鉄筋3階建ての建物に、流れてきた木造の家が何度もぶつかっていました。
その日は道路近くの市役所の会議室(避難の方30人位)で一夜を過ごし、食料も寝具もなく段ボールを床に敷いたのだそうです。
それから旧釜石第一中学校の避難所に移り、次に釜石中学校ですごし、現在は小川の仮設に住んでいるそうです。
愛犬がいるので、避難生活は大変だったとのこと。
3月末には現在の建物を借り、6月初めに開店。息子さんと一緒に営業しています。
4月に椅子など注文して、できたのは5月。
前の店の椅子は全部外の駐車場に流されていたのですが、たくさんあったタオルは一本も残っていなかったのが不思議でした。
天皇陛下御夫妻が釜石にお見舞いにいらした際、地震があり、美智子妃殿下の近くに居た奥さんがとっさに妃殿下の手をとり支えました。
地震がおさまり「大丈夫ですよ」との妃殿下からのお言葉、手の感触は忘れられないとお話されていました。