2011年6月28日 12時14分
八木澤商店さんにインタビューしました
八木澤商店さんにインタビューしました。
陸前高田市気仙町にある(現在は大東町摺沢)
八木澤商店9代目社長の河野通洋さん。
前社長の和義さんの息子である。
その通洋さんにお話をうかがった。
* * *
高校生のとき、「砂漠を緑化し作物を作った」
鳥取大学の教授、遠山先生に憧れていた。
高校卒業後はアフリカの砂漠の緑化に取り組みたいと考え国連に就職、
その後、国連の職員として働くためにアメリカへ。
しかし、頭がついていけず大学をなかなか卒業できなかった。
そんな時に父の和義さんが倒れたため、日本へ帰国し、3年間盛岡で働き、
その後八木澤商店に入った。
しかし、今でも技術者になり砂漠を緑に変えるという夢は諦めていない!
誰が経営者になっても潰れない会社にしたら、 難民を救うために即アフリカへ行こうと考えている。
いつか八木澤商店で農業や微生物を研究する人材を育てて、
チームをつくってアフリカに行きたいと夢見ている。
今回の震災を経験して、人間が自立しようとする力は重要だと気付いた。
そして、自立しようとしている人には必ず手を差し伸べてくれる人たちが
いることにも気付いた。
だからこそ、自立する力を失っている国のために次は自分が頑張りたい。
たった一人の誰かの行動で世の中は変わるし、
経済は世の中を変える力があると信じている。
「何のために、誰のために生きているのか」が大事であって、
八木澤商店の醤油を作ることによって何人を笑顔にできるかで、
八木澤商店の「存在意義」が明確になってくる。
八木澤商店に震災後日本中からファンレターや応援メッセージが届いた。
だから八木澤商店は潰れない。
なぜなら、一人ひとりの「存在意義」が明確になっているからだ。
自分の存在意義が明確で、さらに周りが喜んでくれたら、
それ以上の幸せはない。
* * *
社長さんに質問した。
Q. 専務から社長になって何か気持ちの変化はありましたか?
A. 専務から社長になっても「会社を良くしていきたい」という気持ちは変わっていない。
ただ、はんこをつく仕事が増えただけ。
Q. 新社長として商品開発など挑戦したいことはありますか?
A. まずは、お客様が復興しなければ会社も復興することはできない。
私たちは、醤油や味噌を作ることで買ってくれたお客様の食卓が
笑顔になるお手伝いをしているだけ。
今回の震災で八木澤を潰してはいけないと全国の皆さんから声をかけてもらった。
だからこそ2ケ月で少しずつではあるが、復興を遂げている。
世の中に出て誰かを喜ばせることができなければ仕事ではない!
せっかく生き抜いた命を誰かのために使わなければならない。
「進めば必ず道は開ける。」
★感想★
今回の取材を通して、私たちは被災者面をしていてはいけないと感じた。
ただ雇われているのではなく、この仕事を通して誰かを喜ばせたり感動させたりし、
何のために生きて誰のために働いているのか存在意義を明確にできたら良いなと思った。