ボランティア体験談
2016年3月28日 13時33分

災害ボラバスに参加して 34

3月25・26日、旅行社主催の「東北復興応援バス」に、参加しました。JR京都駅及び新大阪駅(20時発)に、それぞれの思いを抱いた34名(8割が20代以下で、中学1年生と高校1年生連れの親子も)が集合し、宮城県山元町に向いました。
〇 25日(金) 農業用水路の泥出し作業
 途中、新潟県から磐越道に入った頃には雪がちらつき、天候が気になりながらも、現地に到着した8時頃には晴れの作業日和になっていました。
  地区の依頼で、農業用水路に堆積した泥出し作業を4班編成で分担していきます。
  普段あまり使わないスコップを手にしながら、予定箇所を終了です。その後急きょ入った地元NPOの依頼で、2,500本ある桑畑での木の間に堆肥を敷詰めるための穴掘りを行いました。当NPOが震災後の雇用対策として被災農地を借受け、桑を栽培し桑茶・青汁に加工・販売をしようと興したもので、予定時間内には1/3程が残ってしまいましたが、予想以上の出来具合とのお礼をいただきました。
被害の大きかった名取市閖上地区の日和山に移動し、慰霊碑に黙とう、付近を見学 しました。この辺りはかさ上げ工事が進められていて、取壊し中の閖上中学校(3階)も最上階だけを覗かせ、埋もれたように映りました。
松島町の宿舎で汗を流し、夕食後は当ツアーの目玉のひとつでもある懇親会(当日、主催者からいきなりMC(進行役)を任命され、懇親会を仕切る。普段、経験できないことなので、良い経験と思う)です。今日一日共に汗を流した“仲間達”なので、個々の自己紹介と参加した思い・感想等を本音で語り合い、あっと言う間に就寝時刻です。12時間程バスに揺られ初めての作業でもあり、全員爆睡です。
〇 26日(土) 特産のイチゴ農家で作業
 9月に作付けをして、11月後半から5月中まで収穫というサイクルなので、今が書入れ時で駐車場には沢山の車が待っていて、順調な様子が窺えました。この4年間入っている農家さんで、作業前には全員に震災当時から今までを伝えていただき、ハウス内の清掃と側溝の泥出し・駐車場の整備等を手分けしてかかりました。
終了後、地元語り部の案内で、山元町最南部の旧中浜小学校を見学。この辺りは、津波が20分間に4波押し寄せ、最大の2波は12mの高さまで届いたという。外に逃げるには間に合わないとの校長の判断で、学校に居た児童・教員・保護者等90人程全員が2階屋根裏部屋に避難し、翌日、自衛隊のヘリで15名ずつピストン輸送、全員が無事救出された。この震災を忘れないため、外部にも当時の様子を伝えるために、震災遺構として保存するとのことです。その後、福島県境付近の磯浜漁港訪れ、当時、その場にいた全員が裏の小山(12m)に駆け上がり、難を逃れたという。周りは凄い勢いで流れ、頂上にも足元まで津波が届く中、生きた心地がしなかったと察しました。案内していただいた二人の語り部からは、それぞれの実体験も織り交ぜ、涙ながらに当時の様子を伝えていだき、参加者もその視線を外さず聞き入っていました。その中で「今までは、震災当時のことを忘れたい・思い出したくないという気持ちが強かった。でも、最近は震災を忘れない、当時を思い出すように努めている」との言葉が、強く残りました。
 当ツアーの参加者はいつも若者が多く、被災地を思い続けていることが大変嬉しく、体験で何かを感じ取り、後々へ知恵を出していただきたいと願います。

神戸市西区     60代    男性     無職
              
◆ボランティア活動期間   2016年3月25・26日
◆ボランティア活動した市町村    宮城県亘理郡山元町

 
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