実施計画書
東日本大震災・公民協働災害復興まるごとデジタルアーカイブス」
(プロジェクト略称:311まるごとアーカイブス)
実施計画書

 
1 期 間
 東日本大震災の発生後から順次活動を開始し、津波映像の収集と被災状況の撮影は平成23年度に重点的に実施し、復興過程の記録、定点撮影等は今後20年間を目途に継続して実施する。

2 方 法
 原則、ボランティアを基本とし、官民が協働して、人的、物的、技術的ノウハウ、資金的な支援を持ち寄り、持続的に推進する。映像の収集、撮影などの記録・保存の取組と同時に、被災地支援及び防災に関する研究・学習の促進等を目的とし、展示、上映会、出版等を随時実施する。
 アーカイブされたコンテンツは、位置情報などを含め標準化したメタデータを付与しデータベースを構築するとともに、WEBで検索、閲覧、ダウンロードできるシステムを構築する。

3 体 制
 当面、任意団体としてプロジェクトを推進し、推進母体をNPO法人化する。また、被災地域では概ね市町村を単位として、被災地の主体性を尊重しつつ、地域ごとの推進組織を設置し、必要に応じて地区ごとに法人化等を行う。

4 事務局
 当面、独立行政法人防災科学技術研究所・社会防災システム研究領域内にプロジェクトの事務局を設置する。

5 活動経費
 原則、本プロジェクトに参加する団体が資金、物資、システム、人材等を持ち寄り運営する。また、本プロジェクトとして、資金や物資の寄付や助成、人的支援等の協力を受けて活動資金とする。各地区の活動のため、各地区の推進組織は、独自に寄付や助成等を受け入れ活動資金として充当することができる。

6 活動内容
 既に、地区ごとに着手した活動もあり、それらの活動とも連携し、新たな参加者のアイデアと協力を得て、順次、様々なサブプロジェクトを立ち上げる。

(1)  被災地の過去の映像の収集とデジタル化
 被災地の被災前のまちなみや風景、伝統行事、文化財、歴史的建造物、住民や市民の活動等を記録した写真や動画の映像を収集しデジタル化し、被災地の記憶を再生し、被災地に提供します。マスメディア等が被災前に番組等で記録した地域の映像の著作権を処理し地域で上映できるように要請します。

(2)  津波で流されたアルバムや写真の返還とデジタル化
 津波で流された個人や家族、友人の思い出が記録されたアルバムや写真等を整理し、被災者に返還します。修学旅行や運動会、卒業アルバムなどの集合写真、地域の祭り等の行事の映像等は、出来るだけきれいなものを借りてデジタル化し、関係者の方にデジタルでお渡しします。

(3)  津波映像や避難行動の写真等の収集と公開
 防災学習や防災対策、防災研究を目的として、被災住民や自治体、公的機関等が記録した津波が押し寄せるビデオ映像や避難行動等の写真等を収集し、適切な権利処理を行い、広く一般に無償で公開します。防犯・監視カメラで記録された地震・津波被害のビデオ映像や、防災機関やメディアが撮影した被災後の航空写真や空撮映像等も提供を要請していきます。既に、海外の大学やメディアが映像を買い取る動きがあり、国外に流出するとともに人類共有の財産として共有できなくなる危機に直面しています。

(4)  被災地の撮影と公開
 被災地の被害の全体等を把握することを目的として、全国の記録ボランティアの協力を得て、デジタルカメラで被災地のまちなみや避難場所、重要公共施設、鉄道や道路、橋梁、港湾、堤防、文化財、生態系、復旧・復興活動等を撮影し、位置情報を付与しインターネット上の地図で公開します。

(5)  行政の災害対応文書等のデジタル化と検証
 被災自治体や後方で支援した自治体や防災機関、NPO等の災害対応や復旧活動に関する文書や証言(オーラルヒストリー)、映像等をデジタル化します。

(6)  地域コミュニティの復興過程の参加型の記録と公開、上映
 被災地の復興を支援することを目的として、地域コミュニティのお祭りや学校行事、地域での復興に向けた活動等を住民等がビデオや写真で記録し、編集しインターネットで公開します。また、多世代が集う場で上映会を行い、地域の絆を深めます。

(7)  地場産業の復興過程の記録と公開
 被災地の企業や商店、農家、行業関係者などの復興に向けた取り組みを支援することを目的として、被災地の住民や青少年等がビデオインタビューや体験レポートを行い、インターネットで公開します。地場産品のコマースサイトと連携し受注を応援します。

(8)  子供の目線で長期に復興を記録、上映
 被災地の小学生や中学生、高校生等が子供たちの目線で被災地の復興の活動を取材しショート映像を撮影して編集し、インターネットで公開し、楽しみながら地域の復興をPRします。夏休み等長期の休暇には、全国を巡回し、映像の上映会を行うとともに、被災地外の子供たちと交流しながら復興の取り組みを報告します。子供たちの取材や記録活動を通じて、地域に語り掛け高齢者の心の様相を傾聴することや、公開上映会を開催するなどして、被災した子供たちや高齢者の心のケアにも配慮し、また、多世代の交流など地域社会の絆の再生を支援します。

(9)  社会科の補助教材の製作
 アーカイブされた過去、現在、未来(復興過程)の映像を素材として、被災地の小学生や中学生の社会科の補助教材「わたしたちの○○市(東日本大震災特別編)」を協働で編集します。

(10)  コミュニティ放送、CATVの放送記録のアーカイブ
 コミュニティ放送局の災害放送の音声ファイルをアーカイブし、時系列に整理します。

(11)  被災者の避難行動の聞き取り
 指定された一時避難場所や津波避難ビル等に逃げて助かった方を対象に、心のケアに十分配慮しながら、地元の方々と協働で、被災者自身または隣人、家族、友人等の避難行動などの被災体験や今後のライフスタイルの意向などについて、音声またはビデオ映像で記録します。さらに、語られた内容を文書化します。その際、避難行動のみにとらわれず、被災者方々が100年先、千年先の将来世代に伝えたいメッセージ、または、全国で被災者自身と同じ境遇で今後津波被害に遭遇する可能性のある方々に伝えたいメッセージをお話しいただきます。その際被災体験や避難経路等を地理情報システムで併せて記録します。

(12)  道路からの360度撮影を測量
 360度カメラとGPSを搭載した車両により被災地の映像を撮影し、併せて、被災後の地盤高や浸水深を測量し分析します。

(13) ボランティア体験談のアーカイブ
 ボランティアに参加された方々を対象に、ボランティア体験談を募集いたします。体験談は原則として一般公開し、ボランティアセンターや避難所などの設置・運営の迅速化・効率化に向けて活用いたします。

(14)その他
 必要に応じ、本取組の趣旨に合致する事項を行う。

 

※実施計画書のPDFはこちらからダウンロードできます。
 
以上
 
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